ビタミンDは何にいいのか?欠乏しやすい人、薬の飲み合わせについて。
ビタミンDの役割
ビタミンDの役割で一番よく知られているのはカルシウムやリン酸の代謝です。
腸でのカルシウムの吸収をよくし、骨の形成を促進する働きがあります。
ビタミンDになるデヒドロコレステロールは皮膚に存在しています。
日光に当たることでビタミンDとなります。
これだけでは不完全で肝臓や腎臓で代謝されることでより効果の強い活性体となります。
ビタミンDが欠乏するとどうなるのか?
骨の形成にかかわるので骨粗鬆症になるといわれています。
骨粗鬆症は骨がスカスカの状態になり転倒による骨折のリスクが高まり高齢者の場合は寝たきりになる原因となります。
他にも背骨が圧迫骨折しやすくなりしびれの原因となる可能性もあります。
ビタミンDが欠乏しやすい人とは?
ビタミンDは日光により皮膚で合成されるため外にあまり出ないオフィスワーカーが欠乏しやすいといえます。
高齢者で肝機能や腎機能が弱くなると上手くビタミンDが活性化せず骨粗鬆症になることも多いです。
脂質であるため脂質異常症の薬を飲んでいる場合に欠乏しやすい可能性があります。
女性の方が欠乏しやすいというデータもあります。
ビタミンDの更なる役割
血管の中のカルシウム沈着を抑えることから動脈硬化を予防できることが期待されています。
これにより認知症や脳梗塞などの予防にも有用であることが考えられます。
薬との飲み合わせ
・骨粗鬆症の薬を服用している人の場合はすでにビタミンDを服用している可能性があるので注意が必要です。
カルシウムが薬によりもともと高くなっている場合はさらに体内のカルシウムを多くしてしまい過剰になってしまう危険性もあります。
ex)エディロール®、アルファロール®など
その他にも飲み合わせの悪いものが存在します。
・ジギタリス製剤(ハーフジゴキシン®、メチルジゴキシン、ジゴキシンなど)
カルシウムが多くなるとジギタリスの作用が強くなることがあります。
・制酸剤(酸化マグネシウムなど)
ビタミンDはマグネシウムの吸収もよくしてしまう可能性がありマグネシウムの過剰症をおこすことがあります。
カルシウムを含んでいるため製剤のカルシウムが吸収されることがあります。
・脂質異常症治療薬
脂質異常症治療中の患者でビタミンDが低下する傾向にあります。
必要に応じて摂取することが勧められることがあります。
・ステロイド剤
カルシウムの吸収に影響を与えることがあります。